韓国ドラマ『社内お見合い』(2022・SBS/Netflix配信・全12話)を観終えて、「このテンポの良さは原作ありきなのでは」と感じた人は多いはずです。結論から言うと原作は実在し、しかもウェブ小説が先にあり、それをウェブトゥーン(縦読み漫画)化した二段構造になっています。この記事では『社内お見合い』の原作の正体、ウェブ小説・ウェブトゥーン・ドラマの三者がどう違うのか、結末は同じなのか、そして原作を日本語で読める場所までを、確認できた情報だけに絞って整理します。
※この記事は原作(ウェブ小説・ウェブトゥーン)とドラマ双方のネタバレを含みます。これから視聴・読破する予定の方はご注意ください。なお原作の細部は版や言語によって表記揺れがあるため、断定を避け「公式言及なし」「諸説あり」と明記した箇所があります。
『社内お見合い』の原作はウェブ小説?ウェブトゥーン?
『社内お見合い』の出発点は、韓国の作家해화(ヘファ/HaeHwa)によるウェブ小説です。Wikipediaの記載によれば、原作小説はプラットフォームKakaoPage(カカオページ)で2017〜2018年に連載され、世界的にヒットしました。その人気を受けてウェブトゥーン(縦読みカラー漫画)へとコミカライズされ、さらに2022年にSBSがドラマ化した、という流れです。
つまり媒体としては「ウェブ小説(原典)→ウェブトゥーン(漫画化)→ドラマ(映像化)」という三段構造で、一般に「原作」と呼ばれるときはウェブ小説とウェブトゥーンの両方を指していると考えるのが自然です。ドラマがどちらを直接の下敷きにしたかは公式に細かく明言されていませんが、映像化の現場ではビジュアルが固まっているウェブトゥーンが参照されやすい、と読み解けます。
この「三段構造」を押さえておくと、原作とドラマの違いを語るときに混乱しにくくなります。というのも、ウェブ小説とウェブトゥーンの間にも翻案(コミカライズ)による差があり得るからです。文章のみで進むウェブ小説では主人公の心の声が細かく拾われますが、ウェブトゥーンではそれを絵とセリフ、コマの「間」で見せます。さらにドラマは俳優の芝居とカメラワークで表現する——同じ物語が媒体ごとに別の言語へ翻訳されていく、と捉えると、それぞれの違いが「優劣」ではなく「翻訳の流儀の違い」として見えてきます。
原作の基本情報をまとめると
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原作タイトル(韓国語) | 사내맞선(サネマッソン/=社内お見合い) |
| 原作者(ウェブ小説) | 해화(ヘファ/HaeHwa) |
| 初出媒体・連載時期 | ウェブ小説:KakaoPageで2017〜2018年連載 |
| 派生媒体 | ウェブトゥーン(縦読み漫画)化/その後ドラマ化 |
| ドラマ | 2022年・SBS/Netflix配信・全12話・完結 |
| 日本語版 | ウェブトゥーンがピッコマで配信(後述) |
なお、ウェブトゥーンの作画担当者名については情報源によって表記が分かれており、ここでは特定の個人名を断定しません(公式言及なし)。確実なのは「ウェブ小説が해화によるオリジナルで、それを漫画化したウェブトゥーンが存在する」という二段構造の部分です。

原作とドラマの違い——改変点を一つずつ検証
ここが本記事の中心です。『社内お見合い』はラブコメの王道展開を踏襲しているため大筋は原作とドラマで共通しますが、媒体の尺やテンポに合わせた調整が随所に入っています。確認できた範囲での違いを表にまとめます(細部は諸説あるため、ヘッジを付けています)。
主な改変点の比較表
| 原作(ウェブ小説・ウェブトゥーン)の展開 | ドラマの変更点 | 変更の意図(考察) |
|---|---|---|
| 地の文でシン・ハリの内面・葛藤を丁寧に描写 | ハリの仕事ぶりや表情で内面を「見せる」演出に置換 | 小説の心理描写は映像化しづらいため、行動や芝居で代替したと読み解ける |
| 主人公の入れ替わり(友人の代理お見合い)が物語の起点 | 起点は同じだが、序盤のテンポを上げて畳みかける構成に | 全12話という尺に収めるため、導入を圧縮したと考えられる |
| 会社・職場まわりのエピソードが幅広く描かれる | 主筋(テム&ハリ)に焦点を絞り、周辺挿話は取捨選択 | 限られた話数で本筋を際立たせるための整理と読み解ける |
| 第2カップル(ヨンソ&ソンフン)の機微も原作の見どころ | ドラマでも描かれるが、配分・見せ場は再編集 | 映像ではダブル主演的なバランスを取りやすくする調整と考えられる |
| 細やかな伏線・サブストーリーが分散して進行 | 一部のサブ要素は簡略化・統合 | 視聴者が筋を追いやすいよう情報を間引いたと読み解ける |
| 原作ならではのコマ割り・名シーンの「間」 | カメラワークと俳優の表情でテンポを再構築 | 縦読み漫画の「間」を映像の編集リズムに翻訳したと考えられる |
| キャラクターの心情説明が文章で補完される | セリフ量を抑え、視線・距離感で関係性を提示 | 映像メディアの強み(非言語表現)を活かす狙いと読み解ける |
総じて、ドラマは「原作を忠実に映像化した」というより、原作の骨格を残しつつドラマにふさわしい形へアレンジしたタイプの改変だと言えます。実際、原作とドラマの関係について「忠実な映像化とは限らず、ドラマはドラマにふさわしい形でアレンジされている」と指摘するメディア論評も見られます(gendai.media)。
とくに注目したいのは、「ハリの正体がなぜテムにバレにくいのか」という説得力の補強です。Wikipediaがまとめた制作側の証言によれば、ドラマでは物語をより自然でリアルに感じさせるために新しいシーンが加えられており、その中にはハリの職場での有能ぶりを強調する場面が含まれます。これは、テムがお見合いの相手(偽名のハリ)と社員のハリを同一人物だと見抜けない状況に、視聴者が納得しやすくするための工夫だと読み解けます。原作にあった設定を、映像で破綻なく成立させるための「足し算」の改変と言えるでしょう。
逆に「引き算」の改変もあります。全12話という枠に収めるため、原作で枝葉として描かれていた社内エピソードや脇キャラの掘り下げは、本筋に関わる範囲へと整理されています。この取捨選択こそが、後述する原作ファンの賛否を生む分岐点になっています。

一方で、改変を「改悪」と断じるのは早計だと考えます。媒体が変われば最適な見せ方も変わるためで、後述するように「韓国のウェブトゥーン原作ドラマの中では成功例・原作に敬意を払った部類」と評価する声も確認できます。改変点は優劣ではなく「翻訳のしかたの違い」として読むのが妥当でしょう。
結末の違い——原作とドラマでラストは変わるのか
ドラマの先(原作の結末)を知りたい層が最も気になるのが、ここでしょう。確認できる範囲で言うと、大枠の着地点は原作・ドラマで共通しています。
物語の核は、友人の代理でお見合いに出たシン・ハリが、相手が自社のCEOカン・テムだったことから正体を隠したまま関係を深め、やがて真実が露見する——という構造です。Wikipediaにまとめられた原作のあらすじでも、ハリの正体が明らかになった後、テムが彼女を受け入れ、二人が本物の恋人同士になる、という収束が示されています。ドラマもこの「正体露見→受容→結ばれる」というハッピーエンドの骨格を踏襲しています。
したがって「原作はドラマと全然違う衝撃の結末だった」というタイプの大改変は、確認できる情報の範囲では見当たりません(公式言及なし)。違いがあるとすれば結末そのものよりも、そこへ至る過程の密度です。原作は小説の地の文やウェブトゥーンのエピソードで二人の距離が縮まる過程を細かく積み上げており、ドラマは尺に合わせてその過程を取捨選択しています。「ドラマの後日談的なものをもっと味わいたい」という人ほど、原作の終盤・エピローグ部分に踏み込む価値があると読み解けます。
※第2カップルや脇役の「その後」の描写の細部については媒体差・版差があり得るため、ここでは諸説ありとして断定を避けます。

原作はどこで読める?日本語版の配信状況
日本語で原作を読みたい場合、最も現実的なのはウェブトゥーン版です。確認できる情報では、ピッコマで『お見合い相手はうちのボス』というタイトルで日本語配信されています。韓国語タイトル「사내맞선」とは表記が異なるため、検索する際はこの邦題で探すと見つかりやすいです。
韓国では原作ウェブトゥーンがKakao Webtoon(カカオウェブトゥーン)で「사내맞선」として配信されています。ウェブ小説版(KakaoPage)については、日本語の公式配信状況は確認できた範囲でははっきりせず、ここでは断定しません(公式言及なし)。LINEマンガなど他媒体での日本語配信有無についても、確認が取れていないため未確定としておきます。
まずはピッコマで邦題『お見合い相手はうちのボス』を検索し、無料試し読みの範囲でドラマとの空気感の違いを確かめてみるのが入り口として手堅いでしょう。縦読みウェブトゥーンは1話あたりの分量が軽く、スマホで隙間時間に読み進めやすいのも利点です。ドラマで好きになったシーンが原作でどう描かれているかを照らし合わせながら読むと、改変の妙が立体的に見えてきます。
なお作品は有料話を含むため、各媒体の規約に沿って楽しむ前提です。原作の全文転載やスキャン画像の二次配布は権利侵害にあたるため、必ず公式配信で読むようにしてください。タイトル表記が韓国語版「사내맞선」、日本語版「お見合い相手はうちのボス」、英語圏では「A Business Proposal」「The Office Blind Date」などと媒体ごとに異なる点も、探す際の手がかりとして覚えておくと便利です。
原作ファンの反応——ドラマ化は成功だったのか
原作勢のドラマ評価は、おおむね両論に分かれます。
肯定的な見方として、韓国のファンの間では『社内お見合い』は「ウェブトゥーン原作ドラマの中でも成功例で、原作に敬意を払った部類」と評価される傾向があります。キャストの相性やコメディのテンポが原作の軽快さをうまく映像に乗せた、という評価です。
一方で、海外の原作読者からは「漫画のほうが筋が練られていた」「尺(10〜12話)の都合でカットされた要素があり、物語の感情的な芯が薄まった」といった惜しむ声も見られます。「ドラマ単体ならよくできたラブコメだが、原作の深さを知っていると物足りない」という温度差は、人気作の映像化につきものの反応だと言えるでしょう。
これらをどう受け止めるかは、入り口がドラマか原作かで変わります。ドラマから入った人にとっては原作は「もっと観たかった部分の補完」になり、原作から入った人にとってはドラマは「動いて喋るキャラを見られるご褒美」になる——そう棲み分けて楽しむのが、この作品との一番幸せな付き合い方だと読み解けます。

結論:『社内お見合い』原作とドラマの違い
最後に要点を整理します。
- 原作はウェブ小説が先:해화(ヘファ)によるウェブ小説(KakaoPage・2017〜2018連載)→ウェブトゥーン化→2022年ドラマ化、という三段構造。
- 違いは「過程の密度」:大筋と結末の方向は共通。ドラマは全12話の尺に合わせ、心理描写やサブストーリーを取捨選択して再構成している。
- 結末は大改変なし:正体露見→受容→結ばれる、というハッピーエンドの骨格は原作・ドラマ共通(確認できる範囲)。差は終盤・エピローグの厚み。
- 日本語で読むなら:ウェブトゥーンがピッコマで『お見合い相手はうちのボス』として配信。検索はこの邦題で。
- 原作ファンの評価は両論:「敬意ある成功作」と「尺の都合で薄まった」が併存。入り口次第で受け止めが変わる。
ドラマでテムとハリにハマった人ほど、原作で「描かれなかった行間」を回収する価値があります。逆に原作勢は、動いて喋るキャラクターを映像で味わう楽しみがあります。どちらか一方ではなく、同じ物語の二つの翻訳として両方を行き来するのが、『社内お見合い』を一番味わい尽くす方法だと言えるでしょう。
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